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ドイツ、ベルリンのドタバタ、サバイバル日記。

移民はつらいよ in ベルリン:移住&長期就業したら…ドイツ語Integration kurs & Orientierungkurs、そしてベルリンは英語でサバイブ出来るのか?

英語が(割と)通じて、物価も高くなく、家賃も東京より安い(ただし物件は供給超過少)とヨーロッパの首都の中での住みやすい移住先として人気のあるベルリン。

 

しかもドイツは他の国よりも永住権が割と取りやすいんです。

 

ただし、ドイツで永住権を取る時の条件があり、そのうちの一つが「ドイツに暮らす上、問題がない」ということを証明するための

  • 「ドイツ語のB1レベル」
  • オリエーンテールングテスト

この2つのテストに合格していなければいけないのでーす。

「あれー、ベルリンって英語でサバイブ出来るんじゃなかったっけー?」

いやいや、ベルリンに暮らすって、長期の就労ビザ取るって、永住権取るって、そんなに簡単なことじゃありませんよー。

 

ということで、今日はドイツでビザを取る際になにかと話題になる「Integration kurs (インテグレーションコース)」「 Orientierungkurs(オリエンテールングコース)」のお話です。

 

ドイツ語B1ってなに?

B1とは?ドイツ語のレベルのこと

ワーキングホリデービザだとあんまり話題にならないかもしれませんが、周りの人の会話に耳を澄ますと必ず何度か「B1」、「B2」、「C1」と言う言葉を聞くと思います。

ドイツで大学に入学するための学生ビザ(大学準備ビザ含む)、就労ビザ配偶者ビザ、永住権etc... 長期ビザを取得するために、もう絶対欠かせないのが「ドイツ語力」なのであります。

御察しの通り、「B1」とはドイツ語の語学力のレベルのことで、下はA1から上限はC2 まであります。

 

これは「ドイツ語で日常生活を送れるレベル」として、長期ビザを更新したり永住権を取る際の基準となるレベルなのです。

 

じゃあ、そのB1とはどんなレベルなんでしょうか。

ゲーテインスティトゥートによるとB1はこのくらいのドイツ語のレベルのことを言います。

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https://www.goethe.de/ins/de/ja/kuv/stu.html

「日常会話」レベルとか「ニュースで見聞きした内容を抽象的に理解出来る」くらいの語学力、と言われています。

いやー、実際、B1で「日常会話」とか言うけど、ホンマかいな〜って思います。B1のレベルは「道を聞かれて説明出来る」、「◯◯ちゃんの誕生日会、行くー?プレゼントあげるけどどうするー?」という相談ができたり、近所の人や友達とすれ違って井戸端会議出来るくらいのレベルと私は思っています。

 

 

文法は…というと、私たちが中学校3年間で勉強する英語の文法のドイツ語バージョンというイメージ。

単語数は1800語くらいでそんなに多くないと思うのですが、プラス単語の中でも文法によって冠詞、前置詞、形容詞の変化があるのでそれがちょこっとややこしいドイツ語であります。

 

ちなみにこのA1からC2のテストに関してもいろいろな種類があって、TestDaFやZertifikat Deutsch telcやらゲーテ・インスティテュートなど様々なドイツ語教育機関が実施しています。目的によって合格すべきテストが違うし、難易度もちょいと変わってきます。

 

Integration kurs(インテグレーションコース)って何?

インテグレーションコースとは?

大学準備ビザや学生ビザ(大学生)には関係ないかなー、と思うのですが…

ドイツで働く、配偶者ビザ等で移民局(外人局)にビザを申請に行くと、担当官から「インテグレーションコース&オリエンテールングコースを受講して、テストに合格してください」と言われることがあります。

 

は?インテグレーションコースって?

って人もいれば「とうとうその時が来たか」と感じる人もいるかと思います。

インテグレーションコースとはドイツのBAMFBundesamt für Migration und Flüchtlinge:日本語だと「移民と難民省」)が提供する、移民と難民のための「社会融合講座」です。

 

移民や難民が長期でドイツに暮らしていく場合の知識をサポートしてくれる教育、つまりドイツに住むならこれくらいは知ってて欲しいドイツ語&ドイツの常識を教育してくれるプログラムなのであります。

詳しくは:社会融合講座に関する通達をどうぞ

 

自費の場合もありますが、ジョブセンター が負担してくれたり、合格したら自己負担した分が幾らか戻ってきたりして、結構な手厚い制度なのです。

 

受講対象者

どういう人を対象にしているか?というと

 

既にかなり長い期間ドイツに居住している外国人、ヨーロッパ連合国人、欧州経済領域参加国の国民、及び十分なドイツ語知識のないドイツ人向け

 

ま、つまり、私たちのことっちゅうことですね。

私たち以外でも、例えば「ドイツのパスポートを持っている」にも関わらずドイツ語やドイツのコミュニティーに関していまいち知識が薄い人、即ちドイツ人と普段交わることなく移民コミュニティーにドップリ浸かって生活している移民2世やなんかも対象になるそうです。

 

参加するように通達されたら、その通達から1年以内に講座受講を開始いなければいけませんーん。

 

内容が若干違う

ドイツ語学校に行くと幾つかドイツ語のコースが選べるのですが、

  • インテグレーションコース
  • インテンシブコース(短期集中講座)
  • 通常コース
  • 夜間コース

などと分かれていて、インテグレーションとインテンシブコースは割と詰め込みでガンガン毎日勉強させられます。B1終了までその時間600時間!

通常コースはそれに比べるとノンビリとそのスパルタぶりはマジキツイです。

何がキツイって、毎日学校に行くことよりも、毎日勉強しなければいけない単語数があまりに多すぎというところです。ガンガン詰め込み学習をしなくていけません。

B1まで終了し、合格した際には、さらに「オリエンテールング」とテストが待っていますよ。

 

Orientierungkurs(オリエンテールングコース)って何?

 

B1は「日常会話」と既に前述しておりますが、じゃあ、このオリエンテールングコースって一体なんなの?と言いますと

ドイツでの権利、義務、文化と近代史

を学ぶ講座のことでございます。

この講座、時間にして100時間、約2ヶ月受講しなければならないのです。このコースは受講するだけではなく、もちろん「Leben in Deutschland Test」という「Einbürgerungstest」すなわち(帰化というよりも)市民権取得テストに合格しなければいけないのです。

 

この講座の難しいところ、それは「単語が全然分からない」

ところ。ここに来ると急に単語が難しくなって、なんだかB1のレベルでは賄えきれない内容量だったりします。

先生もこの間までゆっくり話してくれていたのに、いきなり話が早くてしかも単語も普通に難しいことばっかり言うから全然付いていけなかったです。

 

これに関してはB1の授業中にグラマーや単語で手こずっていて「今までお前ら、落ちこぼれで分かんない、分かんないって授業中断散々してたじゃねーか!」という左翼のイタリア人の同級生たちが「まるで水を得た魚」のようにガンガン会話していて、「王立制が〜」「権利が〜」など難しい単語をガンガン使い出して本当に驚いてしまいました。

 

「ドイツの条例ではー」とか「国歌」とか「国旗」とか、第一B1の教科書には出てこなかったじゃん?と突っ込みたくなるのですが、いえいえ、ドイツで、ベルリンで実際に生活する上では「条例(Satzung)」とか「国歌(Nationalhymne)」とか「国旗(Nationalflagge)」とかニュースにも出てくるし、知っていなければいけない単語なのですよね。

そして、周りの人はこういう単語をガンガン使って会話出来る人達なので、それに水準を合わせていかねばならぬのだー、と気持ちが引き締まるのでしたー。

 

Orientierungstest即ちLeben in Deutschland test即ちEinbürgerungstest

この項のタイトルにも付けたOrientierungstest即ちLeben in Deutschland test即ちEinbürgerungstest、つまり市民権取得のためのテストで言い方が違うだけで同じテストのことです。オリエンテールングコース受講後に、私たちはこのテストに合格しなければいけないのです。

テストの問題自体は合計で300問くらいあるんですが、この中から抜粋し33問が出題されます。

33問中17点以上なら合格

ただし、この中で「ここはどこ?」みたいな明らかに簡単な問題も多々あります。

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答え:ドイツ国会議事堂

 

壁が崩壊したのはいつ?などの質問は実際知っていなければいけない一般常識なので、日本語でもいいので普段からドイツや住んでいる地域について勉強しておくと役立ちます。

面白いのが「隣人がテロを計画しています。あなたならどうしますか?」問題なんかもありました。あなたなら「手伝う?」「警察に連絡する?」「見て見ぬ振りをする?」

 

インテグレーション&オリエンテールングコースを受けて思うこと:ベルリンで英語だけで暮らしていけるのか?

最近ベルリンの街を歩いていると、私が来た2014年の時よりもずーっと英語を話す人が増えているなー、ということに気づきます。そして、街でのサービスも英語で受けられるところが本当に増えています。

 

そして、タイトルの「ベルリンは英語でサバイブ出来るのか?」という質問になりますが、正直「英語はドイツ語の後の次のツール」でしかないし、そうでなければならないな、と思います。

 

私も普段は英語が55%、ドイツ語は35%、日本語が10%くらいの環境で生活出来ています。ただ、それって私がたまたまそういう環境にイソギンチャクみたいに癒着しているだけで、実際にはドイツという社会がこの英語コミュニティーとパラレルに絶対的に存在しているわけです。移民コミュニティーに暮らしていればそれなりに生活が出来るわけですが、ドイツでの生活やサービスを享受するためにはドイツ語とドイツ社会を理解することは絶対不可欠なんですよね。

 

ドイツ語が出来ないだけでチャンスを逃すことも多ければ、入って来る必要な情報も遅い&少ないのです。私は自分のことを勿体無いことしているな、と痛感しています。

 

移民コミュニティーにいる限り、英語でコミュニケーション出来ちゃうのは仕方がないのですが、このドイツ語35%というのを英語と逆転させるだけではなく、ドイツ語100%&英語100%&日本語100%、ドイツの移民としてのアイデンティティーも確立しつつ、300%くらいの勢いでドイツ社会に溶け込んでいければ良いなーと思います。

 

ドイツ語学習とドイツを知るために役に立ったもの

さて、最後にドイツ語学習やドイツの歴史や文化を知るのに役にたったツールなどをご紹介します。そしてオリエンテールングコースを勉強したりベルリンに暮らして「必要になった」本など。

 ドイツ語文法の本

ドイツ語の授業はもちろんドイツ語で行われます。英語は一言も話してはいけません。

教科書もドイツ語なので、ドイツ語が初めての人には「この文法の意味が分からない」という場面に絶対遭遇します。

この文法の本はB1レベル、ドイツ語中級までの内容を完全に網羅しています。

ちなみにドイツの冠詞の変化を覚えるときは「はのにを」と言う言葉を暗記しておくと便利ですよ。

  1. 「Der(主格:1格)Nominativ」:〜は(〜が)
  2. 「Des(属格:2格)Genitiv 」:〜の
  3. 「Dem(与格:3格)Dativ」:〜に(〜へ)
  4. 「Den(対格:4格)Akkusativ」:〜を
必携ドイツ文法総まとめ

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言わずもがな、ドイツ語モデルの電子辞書。

これには本当に毎日お世話になっています。「携帯版がおすすめ」と仰る方がいますが、私は断然電子辞書の方が便利だった、と思います。

カシオ 電子辞書 エクスワード ドイツ語モデル XD-Z7100 100コンテンツ

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アクセス独和・和独辞典

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  • 物書堂
  • 辞書/辞典/その他
  • ¥7,400

 

冷戦までの世界の動きを把握しドイツの歴史を知る

 

オリエンテールングコースの勉強の時にも旧東ドイツや共産&社会主義の知識は結構必要で、世界史の知識はドイツに来て意外に役立ちました。

普段の会話でも何気なーく出てきたり。読み物としても面白いです。

世界史大図鑑

世界史大図鑑

 

 

そして、水木しげる先生の「劇画ヒットラー」は何度読んでも勉強になります。

どうしてナチスが生まれたか、年表、そしてその背景は現在ドイツで社会問題になっている「AFD(ドイツのための選択肢)党」がドイツで人気になった背景などが理解出来ます。

劇画ヒットラー (ちくま文庫)

劇画ヒットラー (ちくま文庫)

 

 

キリスト教徒の宗教税はなんと中世から存在していました。

ドイツの民族性や歴史について学べる本です。

ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)

ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)

 

 

日本人以外にも多様な移民社会ドイツ。隣人の民族性や考え方を紐解く手助けに

ドイツに暮らしていく上で、また今日本で起きている出来事で、どうしてこういう問題が起こるの?という国家、民族、宗教、歴史別に様々な角度から政治について説明している本。

政治学大図鑑

政治学大図鑑

 

 

食事や作法、異民族のタブーがあることは知っていますか。ムスリムの子供の頭を左手で撫でてはいけないのは何故?

宗教学大図鑑

宗教学大図鑑

 

ソクラテスが、プラトンが、ニーチェが、などだけではなく、宗教哲学などにも網羅している本ですが、ドイツ&西洋人、ムスリムの人たちの考え方について理解を深めることが出来たり、日本人の宗教観や哲学なんかを聞かれて説明する時に役に立ったのでついでにご紹介。

哲学大図鑑

哲学大図鑑