ベルリンPhotoautomatクロニクル

ドイツ、ベルリンでのドタバタ日記。

ベルリン生活:映画「Bohemian Rhapsody」80年代の子ども時代を思い出した

今週のお題「2018年に買ってよかったもの」

 …ということで。

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先日、旧東ドイツ時代の最高の建築のひとつ、「KINO INTERNATIONAL」という豪華できらびやでオスタルジック(オスラルジー=東OST+ノスタルジー)な映画館で「Bohemian Rhapsody」を観てきたことを書きましたが、あまりにも素晴らしかったので「2018年よかったもの」殿堂入りです。

 

 

 

⬛︎80年代だった!私の子ども時代

とこで私が生まれた育った時は80年代真っ盛りだったので、物心ついた頃にはすでにQueenの人気は不動のものだったから、姉の部屋からは姉の彼氏からもらったカセットテープでQueenを流していたり、母親もロック好きだったのでレコードを持っていたので聞いたり、とQueenといえば子ども時代の思い出です。

姉が聖子ちゃんカットにしたのですが、「聖子ちゃんカットは知っているけどそんな髪型一度もカットしたことがない」という近所のマダム美容院に行ったので、前髪がチリチリになって帰ってきて、母親に怒られて結局ショートカットにさせられたり(校則でパーマ禁止ですからね)…振り返ってみれば姉は結構チャレンジャーでこういう母親との攻防がたくさんありましたね。逆に私は学校にまだ上がっていなかったから、母親が憧れたロック歌手の「マレットヘア」にさせられそうになり、必死で抵抗したけど結局服装はロック歌手とかシンディ・ローパーみたいになったり…

私は私でシニカル・ヒステリー・アワーという漫画に夢中になり、YMOクラフトワークを聞いて体に稲妻が走って、すっかりテクノにハマっていたのですが、残念ながらテクノに走るにはあまりに子ども過ぎて、まわりになかなか似たような趣味の子がいなかったので結構孤独な子ども時代でした。

だから、80年代と聞くと結構その後、恥ずかしい思い出として残っていたのです。

 

⬛︎AIDS、チェルノブイリベルリンの壁崩壊、フレディー・マーキュリーの死

80年代子ども時代にインパクトがあったことといえば、AIDSの蔓延でした。「最近、アメリカで同性愛者(そんな言葉もあんまり一般的じゃなかった)の間でAIDSって病気が流行っているらしいよ」と言うのを耳にしたのです。「AIDSに効く薬がないので人は感染すると最後は死んでしまう」死に至る病について聞いたときは本当にびっくりしたものです。実はAIDSは同性愛者だけではなく、コンドームなしのセックス、薬のまわし打ち、輸血や血液製剤の治療を受けたことがある人と「普通に生活していたら、誰にだって感染する可能性がある」と聞き震撼したのです。

その「AIDSは治らない」と恐れられていた時代に「フレディー・マーキュリーがAIDSに感染したことを告白」「フレディー・マーキュリーが死亡」がある日、ほぼ同時にニュースで飛び込んで来ました。

Queenのフレディー・マーキュリー」といえば当時、本当に大スターだったので、その大スターがAIDSを患い、そしてそれを告白し、この世を去ったというのは本当に衝撃的なことでした。私は子どもだったので「そんな怖い病気にかかった、なんてわざわざなんで言うの?」と思ったのですが、それがどれだけ大きな勇気のある行動だったかということ、どれだけ意味があることだったということを理解するにはまだ子ども過ぎました。

80年代の私たちにはAIDS以外にも恐れていることがありました。

1986年、ソ連でどうやら大きな事故があったらしい、チェルノブイリ原発での事故だ、ということがニュースに躍り出たのです。それから数日後、お天気雨が降ったのですが「雨に当たってはだめだ」と校庭で遊ぶこと、体育の授業をしばらく禁止にされました。その後、チェルノブイリではたくさんの犠牲者を出し、その多くの人が白血病やガンを発症し亡くなったこともニュースで連日のように流れました。

80年代はきらびやでパワフルで自由な時代でしたが、その一方、ショッキングなニュースもたくさんありました。

ずーっと続くと思っていた共産主義の崩壊とある日突然ベルリンの壁がなくなり、時代という壁も崩壊したような気分になりました。だって、開かれたソ連や資本主義の人と共産主義の人が同じ国に暮らす、なんて想像出来なかったから。ソ連ではクーデターが起きたし、「どうなってるんだ?世の中は」と先行き不安な世の中に不安を覚えたものです。

 

⬛︎映画「Bohemian Rhapsody

Queenが誕生したのは私が生まれる前の1972年にデビューしていて、私の子ども時代はすでに大スターだったわけですが、映画「Bohemian Rhapsody」を観て、覚えていな子ども時代を誰かから説明されて思い出している感覚がありました。

実はQueenがデビューする時のことを私はQueenのメンバーの近くにいた人から話によく話に聞いていたので「ああ、この時の話だったんだな」と冒頭から映画に引き込まれました。

70年代、80年代、LIVE AIDのこと、そして80年代の終焉、90年代へ…といろいろなことを思い出しました。ちょっと前だったら「いやだ!恥ずかしい!」って思っていたけど、振り返ってみたら「すごい時代だったんだな」と改めて考えさせられました。そしてそれがスクリーンの中にありました。

 

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⬛︎改めてQueenのことを考えた

Queenといえば世界で最も売れたバンドのうちの一つなので、CMで、ラジオで、日本や海外旅行先で…と1ヶ月に一度は耳にする機会がある訳で、それまでは

「またQueen?」

って正直思っていました。

映画を観て、もちろん全ての曲を知っているわけですが、最近こんな一度にQueenの曲を全部聞くなんてそうそうなかったので今までとは全然違うQueenに触れたような気がしました。

歌詞やメロディーのクオリティーの高さになんで気づかなかったんだろうー。

そして面白いな、と思ったのはメンバー全員がそれなりの社会階級出身だということ(全員、当時にしては珍しく大学出ているし、ミドル階級出身)、音楽教育を受けていること(聖歌隊出身だったり、楽器を幼い頃から習っていたり)、解散していないこと。

ビートルズもロックンロールも(私の好きなプログレも)クラッシックがなければあの音楽やファッションの発想は無かったなー、と改めて考えたのです。

そして長いバンド活動の中で良い時もあれば悪い時もあっただろうし、フレディー・マーキュリーを含め、他のメンバーも個性的だったにも関わらず、また「ファミリー」として結束できたのは、賢さとお育ちの良さだなー、と思いました。

そんなことを今まで考えたことは全くなかったので、改めてQueenについて発見ができました。

 

⬛︎フレディー・マーキュリーが今の時代に蘇ったということ

映画「Bohemian Rhapsody」によって今の時代、フレディー・マーキュリーがこの世の中に蘇ったということが、すごいタイミングだな、と感じました。

フレディー・マーキュリーは30年近くも前に亡くなってしまった人です。

しかし彼が彼と彼らの音楽と表現力を追求し、世の中に吐き出したこと。それが評論家には受け入れられ無かったかもしれないけれど、ジェンダーを超え、人種を超えて受け入れられたこと。フレディー・マーキュリーがAIDSで亡くなってしまったこと。この「何でもあり」の世の中はフレディー・マーキュリーや先人たちがいなかったら今という時代はなかったはずだ、と思います。

そして、フレディー・マーキュリーが今の時代の人だったとしても、全く見劣りしない個性だな、と思います。それを思うと彼のすべてが早すぎたのかな。

フレディー・マーキュリーが今の時代に生きていたら、HIVの治療もずっと進んだし、社会的マイノリティーが声高々に自分の主張が出来るようになったし、そうしたらあんな音楽は生まれたのかな、とも思います。彼がその昔、葛藤したから、個性を世の中に爆発させてくれたから、今の私たちの自由な表現が存在するんですよね。

 

…ということで、私は本当に今回、いろんなことに気づいて、知って、触れました。前にもQueenのことをフレディー・マーキュリーのことを、曲をしっていたにも関わらず。そして、80年代のこと、いろいろ世の中の変動が起こったこと、今もその渦中にあること、そういうことについて読み解く手がかりと課題をもらった気がします。

 

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