ベルリンPhotoautomatクロニクル

ドイツ、ベルリンのドタバタ、サバイバル日記。

ベルリンの生活:旧東ドイツ時代の遺産スターリン様式の迫力ある Kino International で映画「Bohemian Rhapsody」を観る

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ベルリンにあるKINO INTERNATIONALは旧東ドイツが作った傑作の建築のうちの一つです。

 その昔、私はロシア構成主義という近代芸術にハマっていていました。その後、学生時代に教科書で旧東ドイツ時代に建てられた、ベルリンにある「KINO INTERNATIONAL」というスターリン様式の建物を見つけ、頭のつむじから稲妻が体の中に駆け巡って行ったのです。

それはシンプルなのに荘厳、無言なのに爆風が吹き出しそうな破壊力でした。

 

そんなわけで昨日、友達から「Bohemian RhapsodyがKINO INTERNATIONALで観られるから行かない?」と言われて久々行ってきたので、KINO INTERNATIONAL という映画館の話です。

 

⬛︎スターリン様式建築がそびえ立つカール=マルクス=アレー(旧スターリンアレー)

KINO INTERNATIONALはベルリン、ミッテのカールマルクスアレー(Karl-Marx-Allee)という通りにあります。

このカールマルクスアレーという通りは、東ドイツ時代の1949年に「スターリンアレー(Stalinallee)」という名だったのが、ソ連国内の「スターリン批判」に続き、東ドイツ国内でもスターリン批判が起こり、1961年「カールマルクスアレー」に変更されました。

1951年から約10年近く、フランクフルタートアまでこの道沿いにソ連にあやかって「スターリン様式」の建物が建設されました。

このスターリン様式レーニン時代のアバンギャルドでモダンな建築スタイル(ロシア構成主義構造主義など)対抗し、社会主義的なルネッサンスとも言える古典主義回帰的な建築スタイルです。スターリンモダニズムを「ブルジョワすぎる」と考えたのです。なので、スターリン主義はゴシックや帝政様式新古典主義ルネッサンスなどを取り入れ、さらに大規模で圧倒的な建築物を建てることで「社会主義の発展と革命の達成を体現し、労働者と資本主義諸国に見せつける」意図があったのです。

…というわけで、現在カールマルクスアレーの「スターリン様式」は世界遺産にもなっていて、大きな通りの北側にはアレクサンダープラッツとテレビ塔があり、反対側にはフランクフルタートアという双子のでっかい塔がそびえ、その間にある道の両側にはスターリン様式の大きくて荘厳なアパート「労働者の宮殿(Arbeiterpaläste)」が両脇にダダーンと建っています。

 

⬛︎KINO INTERNATIONALとは?

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そのスターリン様式建築の建設の一環として、旧東ドイツの映画館:KINO INTERNATIONALもジョセフ・カイザーらの設計デザインにより1963年に竣工しました。しかし、他の建物の帝政様式のような建築スタイルともまた違い、モダニズムも両方良い意味で消化した圧倒的なデザインです(これは私の意見ですが)。

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その近未来的、モダンなデザインとは裏腹に、一度ゲートをくぐってしまうとオーセンティックなシャンデリアなどの豪華な内装ですが、建物自体がシンプルなデザインなのでそのきらびやかなシャンデリアが逆に生きてシックな雰囲気を漂わせています。

東西再統一後、一度大規模な修復が行われ、現代もその姿は健在です。そして、ベルリン映画祭のメイン会場の一つでもあります。

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チケット売り場、トイレなどがある1階部分から2階へ続く「くの字」階段を一気に登ると映画館のホール入り口前にサロンがあり、ハッとするようなゴージャスな内装がそこにはあり、訪れた人を夢心地にしてくれます。このサロンではバーがあって、シャンパンなども売られています。当時、ここに来られるということは本当に特別なことだったんでしょうね。

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⬛︎ベルリナー曰く「やっぱりここで映画を観るのは特別」

東ドイツ出身の友人に聞いたのですが、このシャンデリアもサロンの椅子も当時のまま引き継がれているそうです。映画が始まる前に行き、少しビールやワイン、シャンパンなどでリラックス。そして、上映前に広々としたホールの中はゆったりとした座り心地のいい椅子があり、好きな場所を陣取って、ドカッと座り、映画を観る…目の前に後から来た東ドイツ出身っぽいおばさんも同じように「ドカッ」と座ってからこちらをチラッと見て「ニヤ」っとしてビールを飲み始めました。

「やっぱりここで映画を見るっていうのは良いものだ。特別な気分が味わえる」

と一緒に来た友人。周りの人も、みなさんとてもお行儀よく、この空間を楽しんでいる模様。

 

⬛︎映画「Bohemian Rhapsody」を観てきた

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Queenとフレディー・マーキュリーの伝記的映画、「Bohemian Rhapsody」を観て来ました。フレディー・マーキュリーという冷戦中の資本主義イギリスの大スターの映画を旧東ドイツのKino International で観る、というコントラストが面白い。そして、激動の90年代初めにフレディー・マーキュリーは亡くなるんですよね。

大きなスクリーンで、生き生きとしたフレディー・マーキュリー(実際はラミ・マレックが演じていますが)、ライブエイドのシーンを観るのは圧巻でした。

映画「Bohemian Rhapsody」は評論家の間では賛否両論があるらしいんですけど、私は純粋にすごく楽しんで来ました。帰ってきてからQueenブーム再来、家でずっと聴いています。

また来週、もう一回観に行く予定です。

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